栃木県不妊専門相談センター
トップページ
メッセージ
原因・検査について
治療について
Q&A
自分たちは不妊?
治療中に抱えやすい悩み
不育症・習慣流産について
妊娠したら
特定不妊治療費助成事業
グループ相談会
資料情報
リンク集
 
 
 
 
原因・検査について

不妊の原因    
 不妊の原因は男性にも女性にもあり、その割合はほぼ同じで、原因がわからない場合や複数の場合もあります。原因を早期に明らかにするためには男性も女性も同時に検査を開始することが必要です。  
女性側の原因
排卵障害 最も頻度が多く月経異常がともないやすいです。排卵に関わるホルモンが関与しており、卵子が育たない、あるいは育っているのにうまく排出できないなど、排卵が正常に行われない状態をいいます。

〈代表的な疾患〉
○視床下部性排卵障害
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)
の分泌の乱れ、減少により卵胞の発育が悪くなり月経はあるが排卵しない「無排卵周期症」や月経そのものがない「無月経症」などを引き起こします。精神的ストレス、無理なダイエットが原因となる場合もあります。

○高プロラクチン血症
本来、出産後の授乳中に分泌される乳汁ホルモン(プロラクチン)が増え、排卵障害、黄体機能不全の原因となります。視床下部から分泌される神経伝達物質のドーパミンの不足、胃潰瘍やうつ病の薬の服用、下垂体にできた腫瘍、甲状腺機能低下などが原因となります。

○多のう胞性卵巣症候群(PCOS)
卵巣内に直径数mmの多数の卵胞が存在し、それ以上成熟が起こらず排卵に至らない状態です。卵巣の表面を被う膜が厚く、男性ホルモンが高値、またはFSH(卵胞刺激ホルモン)の値は正常でLH(黄体化ホルモン)の値が高くなります。診断には、ホルモン検査や卵巣の超音波検査が必要です。排卵誘発剤(hMG-hCG)
を使用した場合、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群を起こしやすいのが特徴です。

○黄体機能不全
卵胞の成熟が不充分な状態で排卵すると排卵後にできる黄体の働きが悪くなり、黄体ホルモン(プロゲステロンが十分分泌されなかったり、子宮内膜が十分厚くなることができません。基礎体温の低温相と高温相の差が小さかったり、高温相が不規則であったり、日数が短かったりするのが特徴です。流産の原因にもなります。
卵管の異常 卵管は精子と卵子が出会い受精と分割が行われる場所です。卵管の先にある卵管采に癒着があって卵子を取り込めない「ピックアップ障害」や、「卵管内の通過性に問題がある「卵管通過障害」があります。クラミジアなどによる感染症、骨盤内手術の経験、子宮内膜症なども原因として考えられます。
子宮の形や 
内膜の異常
先天的な形態異常、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腔癒着症などがあると子宮内膜が損なわれ、
着床障害を引き起こす可能性があります。
頸管粘液の
異常
排卵日近くには水様透明の粘液が子宮の入り口を満たし、精子を通過しやすくさせる働きがあります。分泌量が少なかったり、粘液の性状が悪いと精子が子宮内に進入しづらくなります。
 子宮内膜症  子宮内膜によく似た組織が、子宮以外の骨盤内の腹膜や卵巣などに増殖し周囲の臓器と癒着を起こします。強い月経痛や性交痛などを訴える方もいます。子宮内膜症が発生するメカニズムはまだ解明されていませんが、卵管の通過性や胚の着床などが妨げられることがわかっています。



男性側の原因
造精機能障害 精子をつくる働きに障害がある場合をいいます。男性不妊の90%を占めていますが、多くが原因不明です。精液検査では、精子の数が少ない(乏精子症)、精子が全くない(無精子症)、精子の運動性が低い(精子無力症)、精子の形態異常(精子奇形症)などがみられます。
機能障害を引き起こす主な疾患として「精索静脈瘤」があります。精巣の静脈が流れにくくなり、血液が逆流してこぶができ、精巣内の温度が上昇し機能が低下します。
精路通過障害 精子の輸送路に閉塞がみられる場合、精巣で精子がつくられていても精液中に精子がみられず無精子症となります。原因として、先天性の精路欠陥、幼少時のソケイヘルニアの手術によるもの、精路が炎症を起こす「精巣上体炎」や「精管炎」、精液が膀胱へ射精される「逆行性射精」、精管結紮(パイプカット)の術後などがあります。
性機能障害 精巣で精子が十分つくられており、精子の輸送路もふさがっていないのに、勃起や射精といった性機能に問題があり通常の性交ができない場合をいいます。
○勃起障害(ED)
身体的、心理的な要因があります。身体的な要因には動脈硬化や高血圧などの血流障害、糖尿病、ホルモントラブルなどがあり、心理的要因として、性交に対する緊張、過去の性交における失敗、仕事のストレスなどがあげられます。
○射精障害
勃起はするものの射精できない場合をいいます。マスターベーションでは射精できても女性の膣内では射精できない「膣内射精不全」が最も多くみられます。

その他
免疫性不妊 女性の体内に精子と結びついて運動性や受精能力を損なう抗体があります。
その他 男女双方が検査を受けても、ともに異常が認められないこともあります。こうしたケースは「機能性不妊」と呼ばれ、原因が特定できないため明確な治療方針が立てにくいという問題があります。さらに踏み込んだ検査を実施することにより原因が解明される場合もあります。


不妊の検査
 検査には、「一般不妊検査」と「特殊不妊検査」があります。一般不妊検査は全員が受けるもので、原因をさぐるための基本的な検査です。特殊不妊検査はさらに詳しい検査が必要と判断された場合に受ける検査です。検査は、卵胞期・排卵期・黄体期・月経期という月経周期に合わせて進めるので、終了するまでに1〜2か月かかります。個々のケースでは必ずしも一定のスケジュール通りに検査や治療が進むわけではありません。検査がすべて終わらないうちに治療を平行して開始する場合もあります。

女性を対象に行う検査
一般不妊検査
基礎体温の測定 体の動きが最も安静な状態にあるときの体温を「基礎体温」といい、それをグラフ化したものを基礎体温表といいます。婦人体温計を使って毎朝目が覚めたらすぐ口の中で測定します。基礎体温表からは、排卵の有無、排卵時期の推定、黄体機能の推定ができますが、基礎体温表のみで排卵日を確定するのは困難です。排卵があれば低温期と高温期の二相性となりますが、排卵がなければ一相性となります。初診の際は、1か月以上測定した記録を持っていくと基礎体温から読みとれる情報もあり、今後の検査予定もたてやすくなります。
頸管粘液検査 分泌が盛んになる排卵期に行う検査です。頚管粘液の一部を採取し、量・透明性・伸びや粘り具合、乾燥させたときに見える結晶の形状を見ます。
超音波検査 膣内やお腹の上から子宮や卵巣の状態を写し出す検査です。子宮筋腫や卵巣腫瘍の診断のほか、卵胞の大きさを測り、排卵を予測したり、子宮内膜の厚さを計測することができます。
子宮卵管造影検査 子宮内に造影剤を注入して、子宮の形や卵管の通り具合、卵管采周囲の癒着などを調べるX線検査です。月経直後に行います。卵管の通り具合によっては痛みを伴います。造影剤を通すことにより通りがよくなる場合もあり治療的意味も持っています。
 ホルモン検査  卵胞期には、黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)、卵胞ホルモン(エストロゲン)などの値を採血により測定します。排卵期には黄体化ホルモン(LH)が大量に分泌され、尿検査によって調べ、排卵日を予測します。黄体期には、高温7日目ごろに採血し、黄体ホルモン(プロゲステロン)の濃度を測定します。
特殊不妊検査
腹腔鏡検査 全身麻酔をかけておへその下を1cmほど切開し内視鏡を入れ、直接、卵管・卵巣周辺をみる検査です。卵管の癒着や子宮内膜症などが疑われる場合、原因不明な場合、治療が長期にわたる場合などに行われます。麻酔の関係上、入院が必要になります。腹腔鏡下での手術も可能です。機能性不妊の場合にも原因がみつかることがあります。
子宮鏡検査 子宮の入り口から内視鏡を入れます。軽い癒着をはがしたり、ポリープを切除することもできます。
 卵管鏡検査  子宮側の卵管開口部から卵管内へと内視鏡を入れて行う検査です。軽い癒着なら剥離することができます。

男性を対象に行う検査
一般不妊検査
触診 精巣(睾丸)の大きさや硬さ、精索静脈瘤の有無などを診察します。
精液検査 4〜5日間の禁欲期間の後、用手的に容器に採取した精液を調べます。体調などにも左右されるため結果が悪ければ再検査をします。精子数1000万/ml以下になると、自然には妊娠しにくくなり、精子数500万/ml以下になると人工授精でも妊娠しにくくなります。精液所見は、WHO(1999年)の基準値によると精液量2.0ml以上、精子数2000万/ml以上、運動率:運動精子が50%以上、もしくは高速運動精子が25%以上、白血球数100万/ml未満と言われています。
 ホルモン検査  卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)、男性ホルモン(テストステロン)などを採血して調べます。
特殊不妊検査
精巣生検 精液検査で無精子症や乏精子症と診断された場合に、陰のうに1cmほどの切開を入れ、組織の一部を採り、成熟精子の有無を調べます。
精管・精のう造影
検査
陰のうに1cmほどの切開を入れて精管を取り出し、造影剤を注入して、X線撮影し、精管、精のう、精巣上体までの間に通過障害がないかをみます。
精子進入検査 ハムスターテストともいわれ、精子の受精能力を調べます。正常な精子は、特殊な処理をしたハムスターの卵子に進入可能ですが、進入できない精子の受精能力は低いといわれています。

男性・女性共に関係する検査
フーナーテスト 性交後試験ともいわれ、排卵1〜2日前に性交しその後子宮の入り口の頚管粘液を採取し、その中で精子が元気に運動していることを確認する検査です。男性不妊、頚管粘液分泌不全などの場合不良となります。また、女性の体内に精子と結合してその働きを障害する抗精子抗体を持っていることがあり(免疫性不妊)、このスクリーニング検査としても有効です。
抗精子抗体検査 フーナーテストにより抗精子抗体の存在が疑われる場合さらに採血によって調べます。
 染色体検査  染色体の異常が不妊の原因となる場合があります。生殖能力と関係した染色体に異常があると、卵巣の発育が悪くなったり、流産の原因となったりします。また、男性の性染色体はXYですが、X染色体が過剰にあることで、精巣の発達や男性ホルモンの分泌が損なわれ、無精子症の原因ともなります。採血して調べます。


このページの先頭に戻る
 

栃木県不妊専門相談センター All Rights Reserved,Copyright(C)2006