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不育症・習慣流産について


 妊娠はしても流産や死産を繰り返すのはなぜ?
 そんな時の情報として参考にしてください。

不育症・習慣流産とは
 妊娠はしても流産(妊娠22週未満の分娩)・早産(妊娠37週未満の分娩)・死産を
繰り返すことにより赤ちゃんを得ることができないことを不育症と言います。
また、2回流産した場合を反復流産、3回以上流産を繰り返した場合を習慣流産といい、
習慣流産は不育症の大部分を占めます。

習慣流産の頻度
 自然流産の頻度は、全妊娠の約10〜20%に起こり、それ自体は珍しいことでは
ありません。そのうちの50〜70%以上は胎児に染色体異常があるといわれ、
偶発的なもので繰り返すことはありません。しかし、習慣流産の頻度は、自然淘汰という
考えではとらえにくく、妊娠を維持できない原因が他にあると考えられています。
 流産回数が増えるに従って、次の妊娠における流産率が高くなることがわかっており、
最近では流産を経験する苦痛を考慮し、反復流産の時点で検査を検討することもあります。

習慣流産の原因とそれに対する治療法
 原因としていくつかの要因が明らかとなっています。しかし、原因を調べても、約半数の
カップルは原因がはっきりとわからず、まだ解明されていない部分も少なくありません。

〈子宮異常〉 
先天性の子宮奇形・子宮筋腫・子宮腔内癒着症などが知られています。
また、頸管無力症は自覚症状がないまま子宮口が開大し流産・早産へと進行します。
前回流産時の妊娠週数・症状によっても疑うことができます。
原因に占める頻度は10〜15%です。
検査:経膣超音波検査・子宮卵管造影検査など
子宮奇形の種類や程度によって子宮形成術が適応されます。子宮筋腫の位置、
  大きさにより筋腫のみを取り除く筋腫核出術、頸管無力症の場合は妊娠中に
  頸管縫合術などが行われます。








 





〈自己免疫異常〉
抗リン脂質抗体という一種の自己抗体が流産の発症に関係していることが明らかとなっています。抗リン脂質抗体が血管の壁や血小板を阻害し、血栓(血管がつまる状態)をつくり、それが胎盤循環不全の原因となり、習慣流産、胎児の発育が遅れるということが起こります。抗リン脂質抗体が陽性でも治療により75%が赤ちゃんを得るといわれています。原因に占める頻度は10〜15%です。
検査:自己抗体・抗リン脂質抗体検査・血液凝固系〈血液採取)
抗体が作られるのを抑える方法:ステロイド療法
妊娠の確認後、血栓を予防する方法:抗凝固療法〈アスピリン、へパリン療法)、

〈内分泌・代謝異常〉 
黄体機能不全(ホルモン分泌異常やそれに反応する子宮内膜の発育不全)、高プロラクチン血症、甲状腺機能異常、糖尿病などが関連していると報告されています。
原因に占める頻度は5〜15%です。
検査:内分泌検査(血液採取)・基礎体温測定
黄体機能不全:排卵障害に対する治療
高プロラクチン血症:原因により異なるが薬物療法が有効
甲状腺異常・糖尿病:内科的治療

〈染色体異常〉 
約3〜5%の頻度でカップルのいずれかまたは双方に異常がみられます。染色体の一部が
入れ替わるなどの相互転座・ロバートソン転座が多く、受精卵に異常が生じてしまいます。
有効な治療法はありませんが、毎回必ず流産すると決まっているわけではありません。
検査:カップルでの染色体検査(血液採取)
遺伝カウンセリング:正常な染色体を受け継いだ子を妊娠する確率などに基づいた
  カウンセリングが行われます。

 〈原因不明〉
その他の原因として、同種免疫異常、血液不適合、感染症、環境因子などが考えられていますが、習慣流産の50%は今日でも原因がわからず、現在も研究が進められています。
検査:同種免疫検査(カップルでの血液検査)
夫リンパ球を用いた免疫療法:夫のリンパ球を妻に投与する方法で、投与回数、
  投与経 路などは施設によって異なります。検査で異常が見いだされない原因不明の
  流産を3回 以上繰り返した方が対象となります。効果については明らかではなく、
  治療の適応につ いては慎重に検討されます。

これらの検査・治療の一部は保険の適用でないものもありますので、医師から説明を
受ける際には費用についてもご確認ください。

まずはこころとからだを休めましょう
 流産の体験はからだだけでなく、心に与えるダメージも大きく、その辛さを乗り越えるには
多くの時間が必要です。「もっと安静にしていれば・・」「あのことが悪かったのでは・・」など
自分を責める声も多く聞きますが、そのことが原因ではありません。誰よりも悲しく、辛い思い
をしているのはあなた自身です。ご自分を責める必要はまったくありません。まずは、心と
からだを休め、自分をゆっくりといたわりましょう。
 流産したことを早く忘れようとしたり、気持ちを抑えて我慢することはかえってダメージを
大きくします。泣きたいときには泣き、辛い気持ちを話したいときには、誰かに話しましょう。
その際、相談機関や自助グループを活用してみるのも一つの方法です。きっと自分ひとりで
はないと感じられると思います。

次の妊娠
 流産を繰り返すと「早く次の妊娠をしたい」と思う一方で「また流産してしまうのではないか」
という怖さや不安が生じてくるのも当然です。「二度と同じ思いをしたくない」という気持ちから、
まだ行っていない検査や治療をした方がよいのではないか、と悩むこともあるでしょう。検査の
必要性や次の妊娠の時期などについては、医師ともよく相談し、カップルで話し合って決めて
いきましょう。

何気ない言葉に傷ついていませんか?
 不育症や習慣流産に関する情報は少なく、周囲の方の理解不足からくる言葉に傷つく方も
います。場合によっては不快に思ったことを相手に伝えることも必要です。また、気持ちが弱く
なっている時には、そういった人たちから距離を置くのもよいでしょう。

ひとりで悩んでいませんか?
 「不育症に関する情報が少ない」「周囲に同じ悩みを持つ人がいない」など情報を得る機会が
少なく、自分だけが・・・と感じられることもあるでしょう。
 当センターでは、不育症や習慣流産に関する情報の提供や相談も行っています。検査や治療
が受けられる医療機関についての情報提供も行っていますので、ご相談ください。


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